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2002-06-21 自転車とコスト意識

 人間の行動には大体「好き・嫌い」と「コストの考え」があるものである。通勤通学ににもこの条件は付きまとうもので、コスト面が大きく作用していることは大体の人が感じていることであろう。鉄道などであれば単に運賃が高い安いの他に 乗車時間もお金なので遅い早いにも関係していることである。私がサラリーマン時代にはJR蒲田駅のすぐ近くに住んでおり、勤め先の会社もJR川崎駅を出て正面にあるという好立地にあったので、遠回りとなる京浜急行を利用しようとは思わなかった。もちろん運賃は京浜急行の方が安かった。もちろん通勤の定期券は会社が支給をしていたので、どちらを選んでも通勤代を自己負担する必要がなかったが、自己負担だったとしても決して京浜急行を選ばなかったことはまず間違いないし、私と同じ通勤条件であれば殆どの人が定期券の高いJR線を選んだことであろう。

 究極にお金の掛からない通勤方法は徒歩である。現実問題として徒歩で通勤を全て済ませてしまうことはなかなか難しいことも事実である。いろいろな交通手段を組み合わせて通勤通学することとなるが、その中で急浮上してくるのが徒歩の次に低コストの自転車であろう。タイヤのパンクなどのメンテナンス費用以外は殆どお金が掛からないものである。また自転車の盗難や破壊にあったとしても僅か1万円程度の損害で済まされるものなので安易に留め置くことが出来るものである。

 自転車に乗って自宅から最寄駅まで移動しているからこそ、各地の駅の駐輪場がいっぱいで周囲に溢れるばかりの自転車があることがその証明であろう。この便利で気軽な交通手段が問題となるのはやはりその利用方法にあることは間違いのないことであろう。駅周辺に自転車が溢れる現象は駅の周囲に必要な数だけの駐輪場が用意されていない場合もあり単に自転車の利用者の責任ばかりを責めることも難しいものもある。
 私が蒲田で目撃したことは、朝一番に列車を利用する人たちには駅周辺にある有料(一時・月ぎめ)の駐輪場が開いておらず駐輪したくても出来ないことであった。確かに駐輪場の管理人に始発列車の出発までに駐輪場にやってくるようにお願いするのも酷な感じもするものであるが、特定の標識をつけておくと、朝やってきた駐輪場の管理人が自転車を駐輪場に引き込んでおくことぐらいのことをしてくれてもよいかとも思ったりしたものである。

 私が気にしているのが駐輪場が用意されているにもかかわらず、駐輪場の場所が不便(遠い)などの理由から使用されず、もっと便利な場所(近い場所)に自転車を放置してある点である。

 写真は平成14年6月21日取材した広島港桟橋のフェリー乗り場に通じる「通路」に放置されている自転車である。ちょうど通路の一部が建物の関係で空き地が発生しておりそこを駐輪に利用しているのである。ここから50メートル遠ざかったところに駐輪場が存在しているがこのように、駐輪場として使用されているのである。
 自転車やバイクの利用者は僅か50メートルの距離を惜しんでここを利用していることになる。これも歩く距離の時間と影響していると思われる。少しでも歩く距離を短くして早くフェリーに乗り込みたいのか、またはフェリーから降り立ったあとで出来るだけ早く自転車のところに移動して通勤通学の目的地に移動して行きたいのである。

 この通路の部分には自転車の放置禁止の警告標識が掲げられいるが、もともとの自転車自身のコストの安さの関係のあってかこのような警告を無視するかのように放置されている。しかし、今回のこの広島港桟橋のフェリー乗り場の駐輪場に関してはこの桟橋施設の管理者(広島県?)の問題が大きいのではないかと考えている。もうこのような自転車の利用者の行動様式は当然このような公共交通機関や関連施設を管理するものは当然知っているはずである。それを無策で放置した結果がこれであるように思われてならないのである。

 私は当初から駐輪場の場所に関して疑問を抱いていた。なぜあんな変な所に駐輪場を設置しなければならないのか?ということである。まだまだ工事中の新しい桟橋ビル工事現場であるが。フェリー乗り場のすぐ脇に駐輪場を設置しておけばこのようなことは発生しなかったのである。ここに駐輪している自転車やバイクの利用者ももっと便利な場所に駐輪場があれば、この場所も不便な場所となりここに自転車やバイクを放置しようとは思わないことである。

 もともと新しい桟橋ビルは地上階を歩いてやってくる歩行者を2階に上がって再度地上階に降りるような構造になっていた。全くもって歩行者の行動を完全に無視した構造になっており、市民から大きな批難を浴びて設計変更したのである。もともと事故を減らすことを目的にこの構造を選んだのだそうであるが、定期券をなどを使用しているフェリー利用者は直接地上階の車道を通ってフェリーに乗り込もうとすることは安易に考えられ、乗客が車道を歩くことを考えて作っていない部分では当然に事故が発生する確率も高くなるのは火を見るよりも明らかなことであろう。このようなことを考えても、 ここの担当者は人間の心理や行動に関して何も考えていない(もしかすると、考えようとしない)人たちが集まっているのではないかと思われてしかたがない。

 私は決して決められた場所に駐輪しないで、自分の都合だけで自転車の放置を行うことは肯定しない。しかし、これから環境問題と考えあわせると大変有効な自転車という交通手段を安易に邪魔のも扱いにしたり、その特性を考えない手法による排除政策などは否定したいと思っている。バリアフリーのバスや路面電車も悪くはないが健常者はより多くの交通手段があってもいいはずであるし、体を使い エネルギーの消費 が少なく 健康管理にさえなる自転車などをもっと積極的に利用する方法を考えてもいいように思われてならないのである。

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著作:石崎達也 制作:有限会社タツヤ模型