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2002-06-27 電車の色について

 今日は電車の色と乗客の認識に関して考えてみたいと思った。

 2002年5月1日から従来宮島線用の電車として活躍していた3951号が市内線へと転属していったのであるが、これがどうも乗客からの乗り間違いのクレームに因る処置であったとの風の噂があったものである。私はこの噂はどうであれこの3951号の市内線への移籍は正解であったと判断している。

 3000形電車から始まった宮島線からの移籍車輌は、3000形の移籍が終了すると3950形電車を移籍し始めたのである。これも古い車輌から市内線に移籍させることに対する批判の矛先をかわすためとか囁かれたが、乗客にとっては、グリーンムーバーに次ぐ新しい電車なので評判は上々であったようである。しかし、6編成あった3950形電車のうち何故か1編成だけが宮島線に残されていた。最初は3953号であったが後に3951号に変更されている。確かに3951号の導入当初は高速運転時に車体の揺れが発生する現象があり、その対策を十分にこの3951号に行ったそうであるので、乗り心地のよい電車を宮島線に残しておくのも当然のことかと思われた。乗客に対するサービスとしても揺れる乗り心地悪い電車よりも揺れない電車を選択するのは正しいものであろう。

 ただこの1編成だけ残っていた3951号が乗客の乗り間違いを引き起こしていたことに関してはなかなか興味深い内容である。日本人の行動はかなり色に左右されると言う論説があるのである。すでに詳しい内容を忘れてしまったが、あるTV番組で色と形のどちらを優先的に判断するかの実験が行われていたのを思い出す。内容はあるデパートのトイレの表示を単に男性の形に切り抜いたプラスチックの板に赤色(女性を示す色)を塗り男性のトイレの入口に取りつけ、そして女性の形に切り抜いたものに黒色(男性を示す色)を塗ったもの女性のトイレの入口に掲げて男女それぞれがどちらのトイレに入るか実験を行ったものである。日本人は男女の差はなくどちらも「」で判断したためか男女逆のトイレに入ってゆくのである。それに比べ外国人(TV番組で登場したのはヨーロッパ系の人だったと思う)の人たちは「」で判断して正しいトイレにちゃんと入っていたのである。

 この実験などからみても、日本人の多くは形などではなく色によって区別する傾向が強いことがよく伺える実験だったと思う。こうして見ると3950形電車の塗装は従来の連接車と随分と異なった印象を持つものであり、市内線の1号線の広島駅−広島港の間を3950形電車が数多く走っていることもあり、唯一宮島線を走る3951号も色から判断して1号線の電車と判断してしまったようなのである。1号線を利用する乗客にとっては、広島駅で停まっている3950形電車は広島港行きか、途中の広電本社前行き程度にしか思わなくなっているのであろう。

 またこの色に関しては方向幕が2001年11月1日から新しいものに切り替えられ、従来は目的地別に地色(背景)が決められていたものに、行き先地が地色に映えるような色で書かれていたものが、新しいものでは系統ごとの色分けに変わり目的地別でなくなったことも、今回の乗り間違いの原因の一つになっているのかもしれないと考えている。確かに従来のものは色をみれば向かっている方向が理解できたが現在は文字を読み取らなければ分からなくなっている。

 方向幕に関してはまだまだ書き足りないものがあるが別の機会に譲るとして、今回の色によって区別する日本人の特徴を考えるならば、今回の広島電鉄が行った3950形電車を全部市内線に移動させたことは正解であったように思われる。ただこれからグリーンムーバーの導入が続き新しく市内線に配属されるグリーンムーバーも増えてゆくことと思われる。現在は全てのグリーンムーバーは同じ色に塗られているが、今回の教訓をもとに何か色による区別を考えたほうがよいのではないかと考えている。

 全く異なった塗装にするのとグリーンムーバーが修理や点検で車輌を差し替えることも考えられ、色で区別されることを考えると返って混乱のもととなる気がしてならない。そこで車体の一部にラインまたは別の形で市内線の電車であることを示すものを入れてはどうかと思っている。ラッピング広告用のシートを帯状に切り出し貼り付ければ、万が一市内線で使用しないときにはそれを剥がせば間違いも防げるように思われる。ここにラインの入ったものは市内線の電車だと判断しやすく、広島駅から紙屋町東までの1号線と宮島線の電車が併走する区間でも乗り間違いが少なくなると思っている。

 

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著作:石崎達也 制作:有限会社タツヤ模型