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2002-06-30 電停の案内放送

 2002年6月30日の夕方に宇品線の宇品二丁目電停において車輌故障が発生して路面電車の運行が大変乱れていた。このとき私は本通電停付近で取材を行っていたが、電停に設置してある案内放送によってこのことを知った。車輌故障で線路が塞がれることにより、後続の電車が進むことが出来ず宇品二丁目から上り線方向の電車が全て停まっていたのである。ただ広島電鉄も指を銜えて放置していたわけではなく、私が故障現場に向かうタクシーの中から見たものは広電本社前で電車の運行を中断して折り返し運転を行っている姿であった。そのため、本通にいても全く上り電車がやってこなかったわけではなかったのである。


2002-06-30 故障車輌の回送の様子

 さて車輌の故障や事故により電車の運行が乱れることは鉄道には避けて通ることの出来ないものであろう。もちろん避けて通れないものとして何もしない訳ではなく、当然何らかの予防処置なども当然行われているはずである。乗客からみたとき、これらの運行の障害が発生しているときには何が発生しているのか?いつ復旧するのかが大変気になるところである。このような時、乗客から不満が多く出されるのは鉄道会社から何の説明もないまま何時間も列車の中に缶詰にしていたり、駅のホームが大混乱しているのにもかかわらず、どうして列車が到着しないのかなど、乗客に知らせるべき情報が何も与えられていないことが原因のことが多い。

 少なくとも路面電車の電停や駅のホームなどで待つ乗客は電車や列車が到着しそうにもないことを知れば、他の代替手段をそれなりに探して行くはずなのである。ところが何も知らされず、どれくらい時間もかかるものかの情報を与えられないまま延々と(待っている乗客の側からすればたとえ短い時間でも長く感じるものである)待ち続けなければならないイライラと早く目的地に移動したい気持ちで苛立ちを募らせて行くものなのである。

 今回の車輌故障に伴う運行の乱れに関しては、広島電鉄の対応はなかなか優秀なものであったと思っている。なぜなら比較的早い段階で、どの方面に行く電車が遅れているかなどの案内放送を繰り返し各電停(私が確認した僅かな範囲であるがおそらく関連する全ての電停に一斉放送がなされていたものと思われる)に流して電停で待っている乗客に情報を提供していたことである。確かに電車に乗って移動をしたい乗客にとっては電車に乗れないことの不満があるだろうが、待てど暮らせどやってこない電車を待ち続けるより、他の代替の移動手段を模索したほうが余程かプラスであったことと思われる。事実この放送が流れているおかげで電停で待っていた乗客は電車を待つことを取りやめ他の交通手段に切り替えていた。

 一時的に乗客が他の交通機関に流れてしまうのは仕方のないことであろう。しかし、この案内放送のおかげで電車は運行が乱れているときにはちゃんと放送をしてくれるものだと言う信頼は勝ち得たはずなのである。「待てど暮らせどやってこない電車」ということになれば利用者から見放されてしまうのは間違いのないことで、これで「少し待てば電車はやってくる」という意識や信頼を捨て去ることはないことであろう。何かあれば電車は放送してくれると信じることができるからである。

この信頼を維持するのは大変難しいものなのである。一回何かの間違いがあると「ああ!やっぱり電車はだめだ!」と言われかねないからである。運行の乱れがすぐに回復できる程度のものであれば、わざわざ乗客に知らせる必要もないものであるが、どの時点で乗客に知らせるかはおそらく危機管理の観点からもあらかじめ決められているものと思っている。しかし、これらの危機管理のマニュアル類も運用する担当者の判断に誤りがあれば役に立たず、電停で待っている乗客に案内放送が流されない可能性もある。今回の対応は非常によく行われたものと思われるが、今後も発生するであろう運行障害に対してきっちりと最適な対応が出来るようにこれからも精進していただきたいと思っている。

 

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著作:石崎達也 制作:有限会社タツヤ模型