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2002-10-07 公共交通機関の飲酒運転に対する危機管理

 10月5日に千葉県で酒に酔って路線バスを運転していた運転士が逮捕された。今年に入って公共交通機関の運転士が飲酒で事故を起こすなどの事件が相次いでいる。今回の 事件は運良く事故を起こす前に運転士が逮捕されたため事故を免れることができたが、一歩間違えたら大惨事になっていた可能性があった。酒気帯びした運転士自身も逮捕されたことは大変幸運なことだったはずである。事故を起こし て死亡者でも出たときには一生償うことが出来ない責任を負うことになったからである。

 今回の酒気帯び運転士の逮捕でTV報道などでは運転士自身が酒気帯び運転をしている意識がないようであった。どうも毎晩飲酒をしているが酔った状態で運転しているという認識がなかったことを取り調べの 警察に話をしていたようである。長年の飲酒の経験からこれぐらいなら大丈夫だろうとの意識が本人にはあったようである。一番大切なことは乗客の命を預かっているという認識の下、勤務を行う日には体調を万全に整えて出勤するべきものであろう。これがプロ意識(職業意識)というものである。

 しかし自己管理をしているとは言え毎日の体調は違っているもので、同じようにお酒を飲んでも翌日のお酒の残り方はさまざまなのが人間であるし生物そのものの性質である。みんなで飲み会を行った翌日は乗務勤務をするのに不適格であるかどうかを判断すのは本人でも間違いなく出来るはずであるが、毎日の飲酒ではなかなか判断が難しい状況になっているのかもしれない。もちろん勤務する前日にはお酒を飲まないと言うのが理想的ではあるが、お酒を飲まないと就寝しづらい人もいることであろう。 十分に就寝できずに居眠り運転されるのも困った問題ではあるが、今回は居眠り運転のことは取り上げないこととする。

 いろいろな体調で出勤してくる乗務員の体調を見極めたりするのは出勤点呼などのときであろう。出勤点呼が全ての公共交通事業者で行われているかどうかは不明であるが多くの事業者で行われていることは間違いのないことのようである。逮捕された運転士もきっと出勤点呼を受けた上でバスに乗務していたのであろうから、今回の逮捕の責任は運転士だけではなく、このような運転士を乗務させた公共交通事業者にも 大きな管理責任があるはずである。

 出勤点呼で酒気帯び乗務員を発見できないことは大変問題なことであるが、もちろん過去に飲酒や酒気帯びで事故を起こした運転士には、出勤点呼が終わった後の勤務時間中にそれも 運転業務の合間にこっそり お酒を飲んでいたなどの出勤点呼では発見できないものもあることは事実である。これらの勤務中の飲酒は明らかに飲酒運転を行う意思があったので犯罪行為そのものなのである。

 ただこのような飲酒による犯罪行為は行うつもりはないが、前日の飲酒のアルコールが残っている状態でありながら本人が自覚していない乗務員 がいることも事実である。このような酒気帯び状態の乗務員を見つけ出す努力をしっかり行わなければならない状況に来ている ことは一連の飲酒による事故や事件ではっきりしていることである。すでに乗務員の自主性だけには任せられないし、アルコールが残っている乗務員を見逃す公共交通事業者にも 大きな問題がある。安全運行を確保するための努力は公共交通事業者が毎日努力して行わなければならないことは言うまでもないことである。乗務員の教育も大切であるが、 酒気帯びなどの不適格な乗務員を見つけ出すことも公共交通事業者には求められているはずである。

 私の母親は60歳を前にして相変わらずタクシーの乗務員を行っているが、話を聞くとタクシーに乗務する前の点呼のときにアルコールの検知装置で呼気中のアルコール濃度を検査している そうである。この検査を受けて合格しなければ乗務出来ないことは言うまでもないことである。このような客観的な検査装置でアルコールの検査などを行うことは、まだ十分にアルコールが抜けていない 酒気帯び状態の乗務員を発見するには威力を発揮するはずである。乗客の命を預かる公共交通事業者はさまざまな方法を使用して乗務員として不適格な者を見つけ出す努力をしなければならないのである。人間が行う出勤点呼だけでは主観的な要因がかなり作用したり、点呼を行う人の体調により乗務に不適格な人間を見落とすこともありうるので、検査装置のような客観的な数字で表示されるもの も導入して検査をする必要があると私は考えている。

 日本人によく見られることであるが事故が起きて初めて対策をすることがよく見られるものである。何事も事故が発生してから対応するのでは遅いのである。 この千葉県のバス事業者を他山の石とせず、事故が発生しないように事前に対応することこそ公共交通事業者として求められている必要最低限の義務であることを再認識することが今一番求められていることだと私は思っている。
 注:ここに「再認識」と記載したことは、安全対策には十分に配慮をすることが当然求められている事実であり、このことを再度求めるから再認識との言葉を使用したのである。

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著作:石崎達也 制作:有限会社タツヤ模型