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2002-12-04 段差解消装置付きの車椅子

 テレビ番組ネタで申し訳ないが、2002年12月4日のTBS「ウッチャきナンチャき」の中で加藤源重(かとうげんじゅう)さんの紹介がされていた。この加藤さんは右手を事故で奪われ僅かに残った親指の付け根の部分を利用して使用する自助具(じじょぐ)をさまざま開発していた。この自助具は多くの障害者のためにオーダーメードで製作しているそうである。この自助具の中に段差を解消する車椅子装置があったのである。

 この段差を解消する装置はとても簡単な仕組みで小さな2個の前輪の中央部に三日月形の金具が取り付けられており、この三日月形の金具が小さな前輪が踏切などの線路の隙間などに落ち込むことを防いでいる。ブラブラとゆれるこの三日月形の金具のおかげで小さな段差も簡単に乗り越えられるようになっていた。感心したのはこの構造の簡単さと車椅子を押すのに特別な配慮も無くスムーズに移動できる点である。

 このような素晴らしいアイデアは是非とも広く普及して欲しいものである。この補助装置があれば数多くの車椅子生活者やベビーカーを押す赤ちゃんの両親などにとってはどれほど便利になるものかと思った。このような優秀なアイデアに関しては鉄道線路というバリアを設けている鉄道会社などが連携して普及させる仕組みを作っていただきたいと私は考えている。特に路面電車においては軌道敷を一般道路に設置され、横断歩道などで多くの車椅子やベビーカーが乗り越えるために苦労している。この苦労している姿は今まで数多くの写真でこの路面電車撮影日記で紹介したとおりで読者さんはよくご存知のことと思う。現在軌道敷自体に段差を解消する装置などが開発されていない状況から考えると、この車椅子に取り付ける段差解消装置を普及させることを是非とも考えてもらいたいと思っている。いくら鉄道車両が車椅子にやさしいなどといって宣伝していても、軌道自体が障害者などのバリアになるようでは何の意味も成さないのである。「障害者に優しい」と表明する会社ほどこのようなバリア解消に向けての取り組みをよりいっそう考えて欲しいと願っている。

 鉄道事業者への提案 (2002-12-05追記)

 たちまち世の中全ての車椅子を対象とする取り組みは難しいと私自身も思っている。そこで、たとえば、広島市内であれば、広島電鉄の軌道敷を横断歩道で渡るときに苦労していると申し出る車椅子を利用する障害者に対して、広電の自社工場で車椅子に段差解消装置を取り付ける取り組みをしてみてはどうだろうか?たちまち軌道敷を通行するのに苦労している人たちに軌道敷というバリア(障害)を取り除く取り組みは、障害者自身のためにもなるし、鉄道会社においても社会還元の一つとして受け入れられることと思われる。もちろん他人のアイデアを借用する訳であるから、考案した加藤源重さんの使用許可なども必要となると思われるが、もともとこのアイデアの元となったのは障害者の自由な通行を補助することから始まった事なのでアイデアの使用を拒むことはないと考えられるので、比較的早くこの補助装置の取り付けなどの取り組みが現実化できるような気がしてならない。是非ともわが町広島の路面電車事業者である広島電鉄からこのような取り組みをしていただき、全国の路面電車事業者に広がってゆくようになることを願ってならない。


2002-08-21 宇品五丁目電停付近
車椅子の小車輪が線路に挟まり苦労しているところ

 大人の乗っている車椅子が軌道敷のレールの間に前方の小車輪が落ち込んだとき、反動で上半身が前方に傾き重心が小車輪の上にかかるようになる。そのためはまり込んだ小車輪をレールの隙間から持ち上げるのに苦労することが多いようである。このようなときには上半身を一度ちゃんと立てて、重心を後方の大車輪に掛かる様にすると前方の小車輪を持ち上げやすくなるものである。実際にこのような現象に気づいている人は少ないようで、写真のように無理に体重の掛かっている小車輪を持ち上げようとしているのがこの写真からも見て取れる。たとえこのような重心移動の方法を使用したとしても前方の小車輪がレールの間にはまり易い事実には変わりなく何らかの対策案が必要だと私は常々考えていた。今回の加藤源重さんのアイデアには目から鱗が落ちる思いであった。

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著作:石崎達也 制作:有限会社タツヤ模型