2003-01-10 広電電車の方向幕についての提案 |
今年の4月には広島電鉄の広島港電停と横川駅電停が移転して新しく開業することになっている。この移転に伴い、従来よりマスコミ報道が行われていた7号線の運転が開始される見込みとなっている。
すでに7号線の方向幕などは電車に装備されているようであるが、今回の新たな運転系統の開始に伴い方向幕を改良する可能性もあるため、前回2001年11月1日の変更の問題点などを洗い出し検討を加えて新しい方向幕について提案するものである。
この提案は三部構成となっており、第一部は方向幕の役割などを検討する部分で広電電車だけではなく方向幕を使用するバスや他の都市でも役立つ内容を目指して記述した部分である。次に第二部が現在の広電電車の方向幕の問題点の検討と提案、第三部では具体的な方向幕の図案を提案するものである。
第一部 方向幕に関する考察 |
公共交通機関の乗り物に掲げられている方向幕は利用者の立場から見れば、この乗り物がどこの方向に向かって走るのか?どこまで走るのか?を示すもので乗り物を選択する上では欠かせない情報を表示している部分である。この情報がなくては利用者は乗り物に乗ることが出来ないものである。自分の希望する方向と違う方角に走ってしまうかもしれない乗り物に賭け事のようにして乗車することはあり得ないことである。
方向幕には行き先や運行経路などが表示されるものである。この記述される文字や絵柄は見やすくそして内容が理解されやすく表示されなければならないことは当然のことである。ここで言う「見やすく」とはある程度離れた距離からでも十分に認識できる文字や絵柄を使用することであり、たとえ大きな文字を使用していても、小さな面積に密集して表示されている文字は文字を弁別しにくくなることを認識して文字の大きさや文字数などを選択して表記しなければならないものである。次に「内容が理解されやすく」とは、行き先などの重要な要素のものが直感的に理解できることが求められている。狭い面積の方向幕には正式名称を記載することが困難なことが多く短縮した形で表記されることがあるが、これが地域で日頃利用する利用者だけではなく、他の都市からやってきた利用者にとっても理解しやすい内容であることが求められている。

方向幕の文字の大きさなどはこれから急激に増加する高齢者を考慮して小さな文字が読めない利用者のことを十分に配慮する必要がある。また老化現象は視力低下だけではなく判断力なども低下すると思われるので長い表記では一瞬でしか見ることの出来ない方向幕に使用することは慎むべきものであろう。
方向幕は車体前後の上部に設置されるものと車体側面に設置されるものとがあるが、その役割や性質が異なっていることに注意が必要である。利用者が電停で路面電車を待つ場合ではどこの方向幕を見て目的の路面電車が接近しているかを判断するかと言えば、当然前方の方向幕を見て判断することは当然である。ここしか基本的に見えないからである。しかしこの前方の方向幕は遠くからだんだん接近してくるまでしか見られないものなのである。電停に到着した路面電車は電停で待っている乗客からは普通路面電車の側面しか見えないためである。前方の方向幕は物理的に確認できなくなることは当然のことである。このことから前方の方向幕の役割と必要条件は何かと言えば短い時間で行き先や運行経路などの表記がはっきりと見えて認識できることなのである。
日頃路面電車を利用している利用者にとってはこの情報が判別できれば十分であり、到着した電車に乗り込む体勢(ベンチに腰掛けて電車を待っていたら立ち上がって乗車口付近に移動するなどの行為のこと)を準備することであろう。私が広電電車の取材過程でよく見かける風景は接近してくる電車がどこ行きの電車であるかを利用者が頻繁に確認することである。これは利用者が早く目的の電車を発見したいと言う心理的な作用があるのではないかと考えている。

日頃路面電車を利用していない利用者は到着した電車の側面の方向幕を再度確認するなどして電車に乗り込むこととなるであろう。ここで大切なことは日頃電車を利用してない利用者が本当にこの電車に乗り込むかどうかの判断のために最終確認をするのは側面の方向幕となるところである。この側面の方向幕は停車した状態で接近してその内容を確認することが出来るのである。そのため前方の方向幕のように遠くから動いている状態で方向幕の内容を確認できる必要性は基本的にないものである。バスでは多くのバス会社で側面の方向幕には最終な行き先だけではなく主要な経由地などを掲載している。これで利用者が誤乗車をすることを防ぎ、このバスが間違えなく利用者か目的とする場所を通過することを確認することが出来るようになっているものである。特徴として前方の方向幕のような巨大な文字の大きさは必要がなく、読めなければ接近して確認すれば内容が分かる程度の大きさであればよいものである。また路面電車やバスが停車している時間には記載された内容をしっかり確認することができるものである。そのため前方の方向幕よりも多くの情報を提供することが出来るものである。基本的に前方と側面では行き先を表示することには変わりないが役割などが異なっていることを十分に認識する必要がある。

日頃利用してない乗り物を利用する時の人間の心理としては、乗り物の乗り場(停留場)などに掲示された乗り物の運行経路の案内表示をよく見て確認をするはずである。この運行経路の案内表示で心理的に不足であったら、乗り場に待っている他の乗客に声を掛けて間違えのないことを確認するものである。もちろん人がいればすぐに声を掛けて人に物事を聴く人物も多いことは事実である。初めての乗り物には多少なりとも不安が付きものでその不安を解消するための行為が行われるものなのである。私自身公共交通機関を利用して遠隔地に行くことが多いが、初めての場所でも間違ったところに行ってしまうことは大変少ないものである。これは初めての乗り物に対する不安から上記のような確認行為を盛んに行うからであろう。誤乗車はどちらかといえば思い込みで発生することが多いようである。広電電車では宮島線を走る電車は長い連接車で市内線電車は1両の短い電車で長い間運行が行われていたため、市内線に長い連接車が運用された当初は宮島線の電車だと思って乗り込んだところ市内線電車だったという話は数多く聞いたものである。これらは電車の形で行き先を判断する習慣をつけていた利用者の思い込みがさせたものである。
このように誤乗車が情報不足が主な原因ではなく日頃利用している利用者の思い込みである事を考慮すれば、無用に方向幕に情報を詰め込んだところで誤乗車を防ぐことは出来ないのである。乗り場などに必要な情報をしっかり掲載して、目的とする乗り物を発見して乗車できるように誘導することが大切なことであろう。
以上のことから方向幕は乗り物の行き先を表示する大切なものであるが、その他の乗り物の待合所などの路線の案内表示と役割分担をしながら、利用者の特性も認識して有効な表示を行わなければならないものである。
第二部 広電電車の方向幕の現状 |
2001年11月1日に広電西広島駅の改装開業に伴い、運行ダイヤや運行経路の見直しと一緒に方向幕の内容も一新したものとなった。
従来のものは行き先別の色を持っておりこの色を下地色として行き先を表示していた。方向幕いっぱいに表示された行き先の文字は大変読みやすいものであった。また、運行経路については番号で表示されており、旧型電車などの方向幕が小さいものは系統板と呼ばれる円盤に行き先別の色と系統番号が表示されていた。これもとても大きなものでかなり遠くからでも数字を読み取ることが出来るものであった。

2001年11月に改定された方向幕では、旧型電車の円盤状の系統板が廃止されて全て方向幕で表示するようになった。さらに、経由地や名称変更となった駅名などの旧名称、さらにはローマ字表記までを一つの方向幕に詰め込みようになった。大型の方向幕を持つ新型電車においては、ローマ字表記などは従来から行われており問題なく、左右方向に関しても余裕があったためそれほど問題なく表示することが出来た。しかしこれと同様のものを旧型電車でも行ったことから文字は小さくなりさらに密集する形となったため従来のものと比較するととても視認性は低下したものとなってしまった。

小型の方向幕であるからの理由で行き先などの文字を小さくしてもよい理由はどこにもなく、同じ距離から電車の方向幕を見たとき新型電車も旧型電車でも同様の文字の大きさにして行き先を同様に確認できる必要性があることは当然のことである。
第一部で述べたように方向幕には役割があり記載内容を整理する必要があるため以下のような方針を立ててみた。
認識性の向上のために駅名表示は短縮表記で原則3文字までに抑えることが必要であると考える。これは狭い方向幕の中に多くの文字を入れることで文字の大きさが小さくなったり、また間隔などが狭くなり文字と文字の弁別が難しくなることを防ぐと共に一目で見てすぐにどこ行きなのか理解できるように短い文字列で表記することが望ましいと考えている。特に前面方向幕では僅かな時間でその内容を理解(読めるだけでは駄目)出来る必要があるからだ。
そこで現在の主要な駅名や電停名の方向幕の表示を調べてみるとはすでに3文字で表記されていた。「広電本社前」は「広電前」、「日赤病院前」は「日赤前」と言った具合である。そこで現在3文字を越える表示になっているものを調べてみると次の三つがあることが分かった。「商工センター入口」、「JA広島病院前」、「宇品二丁目」である。どれも基本的に宮島線で運行される電車に関係するものであった。
この中で「宇品二丁目」は「宇品二」と表記してもすぐ分かる内容であり今まで「宇品二丁目」と5文字も使用していたのかと不思議に思うものもである。
「商工センター入口」は端的に「商工」の2文字にする方法も考えられる。これでも駅名が分からないことはない。しかし短すぎる点が気にかかるところである。そこで3文字に収まらないが「商工入口」としてみる方法よいと思われた。駅名の最後の部分が「入口」ではなく「前」であれば「商工前」でぴったりの感じである。しかし多くの駅名や電停名に「○○前」と言うものを使用していて何故かここだけが「入口」になっているのが辛いところである。「商工前」が使えないのが残念である。そこで「商工」の文字はそのままで「センター」の文字を小さく詰めて記載することにより「商工センター」の短縮表記で4文字程度の大きさが実現できるはずで、また駅名も十分に理解できるはずである
「JA広島病院前」の7文字に関しては「JA」のアルファベット表記の部分を圧縮して表記することにより実質6文字の大きさとなると思われるがこれでも文字数は多い。思い切って「JA病院」の4文字(実質3文字)で表記してはどうかと考えた。広電電車がカバーする地域にはJA健康保険連合組合の病院はここしかなく間違えることはないと考えられる。ただこの駅名には最後の部分に「前」の表記があるため、これを生かし「JA病院前」の5文字(実質4文字)とすると収まりがよいようである。
その他よく使われる方向幕で4文字以上と言うのは「競艇貸切」があるが今回の案では貸切運転などには系統番号を割り振らないこととしているので、方向幕に余裕が出来るため問題なく表記できるものと考える。
また従来「西広島(己斐)」や「広島港(宇品)」と旧電停名を掲げていたが、すでに駅名変更後14ヶ月を経過したこともありこの(己斐)と(宇品)は書き込まないこととした。もともと分かりやすい駅名変更にもかかわらずわざわざこのように書く理由が当初から理解できなかったところである。
次に宮島線の駅名を表示するときには何故か従来の駅名色が使用されている。読者さんも「宮島口」の文字が赤いのはよく見かけているはずである。系統色を使用して文字の色は黒とするのが統一性のある形のはずで、現在のようにわざわざ色を変える趣旨が全く理解できない。そこで宮島線の中の駅名表示も黒色に統一することとした。
次に2001年11月の方向幕では運行系統の見直しも図られた。特に従来鉄道線となる宮島線(広電宮島口−広電西広島)と市内線を直通運転される部分(広電西広島−広島駅)を一つの系統として「2系統」としたことである。これは日頃利用する広島市民にとっても納得の行くもので、殆どの宮島線電車は市内線を走る運行経路をとっており鉄道線と市内線の区別は特に感じていなかったからだ。
しかし、せっかく運行系統を見直した時に何故か不明の0系統が大量に発生して系統番号ではどこに行く電車か分からなくなってしまったのである。1系統や3系統などで千田車庫に入庫して営業運転を打ち切る「広電前」(広電本社前)や「日赤前」(日赤病院前)に0系統を割り当てる程度であれば問題は問題のないところであるが、宮島線から紙屋町を経由して「広電前」の電車にも0系統を割り当てていたのである。さらには「回送」・「試運転」・「貸切」などといったものまで0系統である。一体なのための系統番号なのか全く訳が分からないものである。これは運行経路上の途中で運転を打ち切るものについては同じ系統番号を割り当てることが望ましいことと考える。さらには営業運転とかかわりのない回送や試運転および一般利用者が利用できない貸切運転などについては系統番号そのものが不要であろう。このような一般の利用者が利用できない電車には系統番号の存在意義がないのだ。
そこで0系統の表示を廃止して本来あるべき系統番号にするとともに回送・試運転・貸切については系統番号の廃止を提案したい。
経由地が一部の行き先に表示部分に記載されて方向幕が読みにくくなったことについては、前方の方向幕の存在意義を考えれば経由地をいちいち掲載する必要がないものである。ただ広電電車においては1系統(広島駅−紙屋町−広島港)と5系統(広島駅−比治山下−広島港)と始発と終点が同じ系統が存在している。1系統はオフィス街の市役所や本通・紙屋町・八丁堀の繁華街を通過する路線であり利用客も多いところでもある。5系統は利用者の比較的少ない比治山線を近道して広島駅と広島港をつなぐ路線のため、1系統よりは短い時間でこの両端部分を結ぶことが出来る。広島港には諸島部からフェリーで通勤通学する人たちが数多く利用する桟橋があり、ここからJR線に乗り換えるなどの目的で広電電車を利用するには5系統の電車は必要不可欠なものとなっている。
これらの運行経路の違いを示すものが従来無個性な系統番号しか存在していなかったことにより一体どこを走る電車なのか分からないことが根本原因にあると私は考える。
私や日頃広電電車をよく利用する利用客にしてみれば系統番号だけでもどこを走る電車か判別することが出来る。しかし他の地域から来た広島に不慣れな利用客にとって無個性な系統番号では分かりにくい状況が考えられる。ただどの電車に乗ればよいか尋ねられたとき「○番の電車に乗ってください。」と言う方が簡単であるし、日本語が不明な外国人に対しても指で数字を表してでも何とか?どの電車に乗ればよいか教えてあげられることを考えると数字を利用することを否定することはできない。そこで現在系統番号に対応する個性的な系統名称を新たにつけることを考えてみた。現在広電電車では○○線といえばどちらかといえば物理的な線路の区間を示すものであるがこれを系統に置き換えるものである。
以下は私がとりあえず提案する系統番号に対応する系統名称の案である。
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系統番号 |
系統名称(案) |
| 1系統(広島港−紙屋町経由−広島駅) | 都心線 |
| 2系統(広電宮島口−広島駅) | 宮島線 |
| 3系統(広島港−広電西広島) | 西都心線 |
| 5系統(広島港−比治山下経由−広島駅) | 快速線 または 比治山快速線 |
| 6系統(江波−広島駅) | 江波都心線 |
| 7系統(広島港−横川駅) | 横川都心線 |
| 8系統(江波−横川駅) | 江波線 |
| 9系統(八丁堀−白島) | 白島線 |
この系統名称案は方向幕を制作するときに表示を見やすくするためのことも考慮して命名している。従来1系統と5系統については紙屋町経由と比治山下経由などと表示してあるものを○の中に「都」を入れたり、同様に「快」の文字を入れることで表示を簡単にして読みやすく、かつどこを走るか理解しやすいものとなるように配慮したものである。
1系統は市役所前や紙屋町・八丁堀など都心部を通過する路線系統であることから端的に都心線と名づけてみた。3系統にある「西都心線」に対応して「東都心線」と考えることも出来るが、これから先7号線の開通などで3号線の電車が少なくなる可能性も高く、路線の重要度の高さと方向幕に端的に都心を示す「都」の文字を入れることを考えれば東をつけずに都心線と名づけることが好ましいように感じる。
2系統は従来の市内線2系統を引き継いで宮島線で使用されるようになった系統番号であるが、主要部分が宮島線であることから、そのまま宮島線と呼ぶことが市民にも理解されやすいものと思われる。上記の広電本社前行きや宇品二丁目行きの電車は「宮島線都心便」と呼ぶようにして特別の電車であることを強調することとした。
3系統は当初、西広島線や広島港線などの終点駅名を利用する方法を考えてみたが私自身がこれを見てぱっとしないものがあった。己斐線と呼ぶと長く広島に住んでいる人にとっては分かりやすい名称だと思うところであるが、すでに己斐電停は存在しないことから己斐線は不適格と判断した。そこで、広島港から紙屋町交差点までは同じ線路を走る電車であり、広島市の西部地域を走ることと西広島の「西」を取る意味合いから西都心線と名づけることとした。
5系統は当初地名の比治山を使用して比治山線が分かりやすいとも思われたが、この路線の存在意義として広島駅と広島港を最短コースで走る路線としての特徴から快速線と名づけたものである。私はすっきりとした快速線でよいと思うところであるが、比治山線の名称も定着していることもあり、当初は「比治山快速線」と呼ぶ方が市民には受け入れやすいと思われる。省略形は「快速線」または「快」とするのである。これにより同じ広島駅から広島港に行く際には快速線と言う名称から広島港に早く到着する印象が得られるはずである。ここで注意したいのは「快速電車」とか「快速便」などといった途中の電停を止まらない電車の意味合いを持たせないことであろう。線路が短路を通っていることを示す快速線とすることが大切なことだと思っている。
6系統は江波線と呼ぶと収まりのよいイメージがあるが、次の8系統の兼ね合いで江波都心線としている。従来8系統は横川線と呼んでもよい部分であるが、横川駅を基点として名称をつけるとき江波に向かって走る路線であることからこの8系統を江波線と名づけたい。その関係で6号線は都心部を走ることと江波を結ぶ路線であることから江波都心線としてみた。江波を始発とする電車は江波線電車と江波都心線電車と似通った名前となってしまうところが問題であるが、これからの江波と横川駅の重要性を考えると横川駅を利用する乗客が見て分かりやすい名称を選択する方がよいと思われる。他の地域から来た利用客はJR横川駅から広電電車に乗り換える乗客が多いと予想されるからだ。
7系統はマスコミ発表当初は「都心便」の名称であった。今回よく使用している都心のキーワードの紙屋町などを走ることから横川都心線と名づけることが横川と都心部を経由して走る電車であることが理解できる。単に横川線にするよりは横川駅電停から利用する乗客に理解出来やすい名称だと思っている。
8系統は前述のように横川線のイメージが強いがあえて横川駅電停からの利用客を考慮して江波線と名づけることが好ましいと考えている。
9系統は他の系統との相互運用の部分がない離れ小島のような路線のため従来から白島線と呼ばれており、これをそのまま引き継いでも問題はなく無用な混乱を防ぐためにも白島線と呼ぶことが好ましいと思われる。
広島市は国際都市として広く世界に知られており多くの観光客が訪れる場所である。そのため日本語や漢字が読めない外国人のために外国語でも表記することはとても望ましいことと考えられる。しかし外国語には数多くの種類がありこのどれにでも対応していることが望ましいことではあるがその全てに対応することはできないことも当然である。現在広電電車ではアルファベットを使用したローマ字表記と英語(STATINONなど)を使用してで行き先を案内している。このローマ字表記で十分であるか?は疑問の残るところである。現在の日本では外国人にはローマ字の表記をすれば十分と言う誤った認識があることも事実であり、他によい方法が思い当たらないことから外国人に対する表記はローマ字表記とすることとした。
ただ面積の狭い旧型電車用の方向幕については行き先の文字の大きさを維持するために省略してもかまわないと考えている。何故ならば広電電車の多くが日本語が読める利用者であるためである。無理な詰め込みにより日本人にも外国人にも読めない方向幕を作るより大多数利用者のことを優先すべきと考えるからである。また旧型電車はいずれ新型電車に置き換えられる運命にあるため旧型電車が淘汰されればこの問題も自動的に解決することとすでに旧型電車は少数派になりつつあり、たまたま旧型電車が電停に到着して行き先が読めずに乗り込めなかったとしてもいずれ新型電車が到着して乗り込むことが出来るからである。日本には古い諺(ことわざ)があり「二兎を追うものは一兎を得ず」を思い出していただきたい。無理な外国人対応は日本人にも対応しなくなることを認識すべきところであろう。
大きければ大きいほど視力の低下した利用客には見やすいものとなるが限界というものもある。具体的にどの程度の大きさがあれば問題ないかについてはこれからも検討する必要性があるが、現在のところ2001年11月以前の大きさや現在の新型電車の方向幕でも文字認識が十分に出来る状況にあると考えられる。そこで現在の新型電車の方向幕の大きさを基本として旧型電車の方向幕の文字の大きさも決定することとした。同じように接近してくる電車の方向幕を確認するのに新型電車と旧型電車とで同じように見えることが望ましいからである。そのため4項で述べたように無理なローマ字表記はなくして行き先の文字を認識しやすくすることとした。旧型電車では方向幕の縦横がかなり小さくなっている関係上そのまま同じ文字の大きさを使用することは難しいため多少は小さくせざるを得ない状況にあったが小さくする割合は10パーセント以下に抑えて認識性を維持すべきだと考えている。そのため、1項で述べた文字数を3文字に抑えることは大変有効なことである。
第一部で述べたように側面方向幕には前面方向幕と異なった役割がある。電停で電車を待っている利用客が最終的に電車の行き先を確認するには新型電車は高い位置に設置しているため、実質的に見ることができないのが現状である。しかし旧型電車の多くが乗車口脇の目の高さに設置されており行き先を確認することが出来るようになっている。新型電車では行き先を確認することが出来ない問題は直ちに解決できない内容であるが、旧型電車が側面行き先案内板を金具のホルダーで固定していることを参考にして側面の行き先表示をしていただきたいものと考えている。出来ることなら混雑している電停乗り場で人の頭の上に行き先案内板が見えるものが望ましいと考えている。ただし新型電車のうち5000形電車(愛称:グリーンムーバー)は側面方向幕が比較的低い位置に設置されており、電停乗り場からでも側面方向幕の行き先を確認することが容易である。
今回は側面方向幕または行き先案内板が電停にいる利用客からよく見える位置に設置されたものとして提案する。ただし、旧型電車については直ちに実施できる内容と考えている。

側面方向幕は近づいてゆっくりみることが出来るものであることから、主要な駅または電停の経由地を示すことが望ましいと考える。現在の広電電車の方向幕は行き先が表示されているだけである。そこでこの側面の行き先表示部分を小さくして経由地をあわせて記載することにより利用者の便宜を図ることとした。
第三部 方向幕の図案の提案 |
第二部で問題点の洗い出しと解決策を考え合わせ次のように方向幕の図案を提案する。ここでは2001年11月の図案を基本的に踏襲して問題点の図ることとした。
行き先を示す一番大きな文字は大きい方向幕が11の比率に対して小型の方向幕では10の比率となっている。系統名称とアルファベットの表記の大きさは4の比率となっている。ただし1系統と5系統の白抜き文字は5の比率となっている。
方向幕の図案は左側が新型電車の大型の方向幕で右側が旧型電車の小型の方向幕を示している。小型の方向幕ではローマ字表記の部分を省略している。
1系統の方向幕案 |
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1系統と5系統だけには特別に運用系統の名称部分を緑色で囲み白抜き文字で強調したものである。右の小型の方向幕では朱色の部分と緑色の部分の間に白抜き部分を設けている。これは色覚障害者がこの方向幕を見た時、十分に色の弁別が出来なくても系統番号の部分と路線名の部分が区切られていることを示すためである。 従来0系統であった「広電前」や「日赤前」は1系統と改めている。この運用系統の途中で運転を打ち切るものについては「都心線」を強調する必要性が少ないと思われるので単なる文字表記としている。
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2系統の方向幕案 |
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「宮島口」は文字は赤色となっているが、このような宮島線内の駅名は色分けを廃止して他の系統と統一を図った。 従来0系統となっていたものは2系統と改めた。 下の3つの方向幕は宮島線都心便のもので朝夕の多客時に運用される電車に使用するものである。
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3系統の方向幕案 |
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1系統と同様に0系統であった「広電前」や「日赤前」は3系統と改めている。
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5系統の方向幕案 |
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1系統と同様に名称部分を赤色で囲み白抜き文字で強調したものである。やはり右の小型の方向幕では色覚障害者のために緑色の部分と赤色の部分の間に白抜き部分を設けている。
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6系統の方向幕案 |
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7系統の方向幕案 |
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8系統の方向幕案 |
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現在の方向幕では「8」の系統番号の文字であるが、周囲の紫色を濃くして白抜き文字としたほうが文字の認識性が向上すると思われたので、白抜き文字とした。
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9系統の方向幕案 |
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系統無しの方向幕案 |
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従来0系統に割り振られていたものである。方向幕には無用な系統番号を削除してある。
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後日ここに追加する形で発表します。
著作:石崎達也 制作:有限会社タツヤ模型