[社説に戻る] [Return HOME]

[PR] 最新の話題はタツヤのファン倶楽部でどうそ!

2003-04-11 新しい横川駅電停乗り場への通行路の問題点

 2003年3月27日に広島電鉄の新しい横川駅電停が開業した。従来の横川駅電停に比較すると電車が1線から2線となった他、電停の長さも長くなり超低床電車のグリーンムーバー(およそ30メートル)も余裕で収容できるものとなった。電停乗り場の上空には大きな上屋が設置され雨や直射日光を避けることが出来るようになりとても立派なものが出来上がった。またJR横川駅からも従来は140メートルの移動距離が必要であったものが、これからは25メートルほどの歩行距離となりJR線と広電電車の乗り換えも便利なものとなった。(注:移動距離の数値は広島国道事務所の公表値)

 このような大変便利となった新しい横川駅電停であるがひとつ首を傾げたくなるような問題がある。それは横川駅前交差点側から電停乗り場に行くためには大変大回りをして行かなければならないことである。

 下の図面は新しい横川駅電停の電車乗り場に移動する経路を示したものである。横川駅前交差点にある歩道や横断歩道の部分から電停乗り場に移動するには現在のところ赤い矢印で示した経路を通らなければならない。具体的な歩行距離については計測をしていないために不明であるが、ホームの長さが30メートルを越えるグリーンムーバーを収容できることと線路の終端部分には車止めや架線柱などが設置されていることを勘案するとおよそ40メートルの距離を往復する勘定となり合計80メートル程度の距離を移動して乗り場に行かなければならない構造となっている。 (注:移動距離は追記部分の通り70メートルである。)

 青い矢印で示した部分は現在フェンスと花壇(プランター)によって封鎖されており通行ができなくなっている。またフェンスの部分には通行禁止を告げる掲示物が掲げられている。この青色の歩行経路を通行出来なくしてある意味は全く不明である。法律上の問題で通行できないものとはとても考えにくい。この花壇の前は横断歩道となっているが、横断歩道から電停乗り場に移動することが法律上禁止されているとするならば、広電電車の殆どの市内線の電停は法律違反となるからである。

 このようなことからもこの青色部分の通行が出来なくなっていることは全くの意味不明であるし、また無用に利用者を遠回りさせるだけのものである。

 この横川駅前整備事業は総合的なアクセスの向上を求めて行われているものであるから、当然横川駅前交差点からも便利に乗り込めるようにする必要があると思われるし、そして青色の通行経路を実施するうえで何も障害があるとはとても思われない。現在でもすぐに花壇の一部を撤去してフェンスの中央部分を切り取り、スロープを設置すれば簡単に実現するものである。もちろん上記の写真を見ての通りスロープを設けるには十分なスペースが残されていることが分かるはずである。

 このようにすれば一般利用者を無用に遠回りさせる必要なく便利に広電電車を利用することができることは言うまでもないことである。さらに障害者や高齢者などの体力のない利用者に対しても無駄で無理な歩行を強いることはなくなるはずである。ユニバーサルデザインという言葉を聞かなくなって久しいが、グリーンムーバーを導入した当時を思い出し初心に帰って欲しいものと考えている。


横川駅前交差点の横断歩道から撮影した新しい横川駅電停の様子
花壇(プランター)のある部分がフェンスとなっており通行止めにしてある。

 

 さらに大きな問題点が存在している。このフェンスと花壇による封鎖箇所を見てみればすぐわかることであるが、一般の利用客のうち横川駅前交差点へ出入りする利用者はあの赤色の通路を実際には通行することなくフェンスと軌道の間を通っているのだ。わざわざ遠回りする意味がないためこのような軌道敷を通行する行為に出るわけだ。実際問題電車の往来のある軌道敷を通ることを放置しておけば利用者が電車に轢かれる可能性は高くなってゆくことは当然であろう。それも朝のラッシュアワーの時間帯に混み合う時ほど近道をして電車に乗り込もうとする利用客が現れるものであるからより危険は高まるものと考えている。

 この電停乗り場の中央部分に120センチ以上(※1)の幅を持つ通路を設置するだけで、利用者が安全に便利に移動することが出来るようになることは上記のとおりである。利用者もわざわざ危険なところを通るよりも安全なところを通りたいものである。軌道敷を歩く行為は現在の無理・無駄な施設の設計により誘発されていることは明らかなことであろう。

 このような利用しない・利用したくない遠回りで無駄な歩行経路を設定している事例として新しい海岸通電停も以前に問題指摘を行っていたが、今回もこのような危険行為を誘発させる施設の設計が行われているのだ。海岸通電停でも利用者の多い通行方向の横断歩道へのアクセスと絶ち無理に遠回りをさせる構造となっている。(2002-08-07 海岸通電停の横断歩道の提案を参照)

 このような危険行為を誘発させるような施設設計を行うのではなく、安全で便利な通行路を用意してあれば利用者は自ら進んで歩くものである。このような利用者の立場に立った施設設計を是非とも行って欲しいと考えている。また海岸通電停と同様に簡単に問題解決が出来るものを放置していることは利用者を無視した行為と私は考えているため早急な改善を願うばかりである。


電停乗り場の封鎖箇所の様子

※1:グリーンムーバーには国際シンボルマークがかつて設置されており、現在でもまがい物の国際シンボルマークが設置されている。全ての身体障害者が利用できる施設や乗り物であること示すものであるが、この新しい横川駅電停も国際シンボルマークの適用基準を満たすためには通路の幅は120センチ以上と規定されているためにこの幅が必要となる。国際シンボルマークの適用を受けているグリーンムーバーへ乗車するためには電停乗り場が必要であり、この電停乗り場が国際シンボルマークの適用基準を満たさなければ、グリーンムーバーの存在意義が薄れてしまうことは明らかなことであるからだ。

 

【2003-04-15追記】

 上記文章で電停乗り場への距離についてグリーンムーバーの車体の長さから推測して移動距離を記述した部分があるが、2003年4月15日に現場で実地に計測を行ったのでその結果をお知らせする。これによって移動距離80メートルと記述してある部分は下記の表の通り70メートルと訂正する。

歩行経路

移動距離

横断歩道から電停乗り場への移動距離(現状・遠回り・赤線)

70メートル

横断歩道から電停乗り場への移動距離(改善案・近道・青線)

20メートル

JR横川駅出口専用通路からの移動距離(参考値)

43メートル

 計測は10メートルのビニル紐を何回か渡しながら計測を行いビニル紐の足りない距離は別途5メートルまで計測できる巻き尺で計測した。70メートルの長さを計測して1メートル程度の誤差が発生している可能性があるが、取り扱う距離の長さから見れば問題の生じる長さではないと判断している。

 計測地点は写真にある電車降り場から横断歩道に降りてきた部分である。ここから現在の遠回りの距離と花壇の中央部を通ってゆく改善案との距離を計測した。

 計測結果は上記の表の通りである。移動距離の差はおよそ50メートル存在することとなる。この50メートルの距離を長いと感じるか短いと感じるかは個人差がある。利用者の多くが軌道敷の中を通って電停乗り場に移動する現実を見る限りでは、多くの利用者にとっては長い距離と感じると判断するのが妥当なことであろう。

[社説に戻る] [Return HOME]

[PR] 最新の話題はタツヤのファン倶楽部でどうそ!

著作:石崎達也 制作:有限会社タツヤ模型