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2003-04-17 2003年4月20日のダイヤ改正への心配事 |
4月20日より新しいダイヤにより広電電車が運行される。目玉となるのはもちろん7号線の運行開始である。その他に早朝運転されていた宇品二丁目行きの電車が広島港行きとなる他、土曜日のダイヤを日曜・祝日ダイヤに統合することが案内されていた。
利用者の立場からすれば新しく路線が増えたり経路が長くなることは便利さが増えるという感覚で受け止められやすいもので、逆に言えば経路を縮めると言えば不便になると思われがちとなるものだ。
今回のダイヤ改正で気になる部分は宮島線などの運転密度が僅かに粗くなっていることである。手元に平成13年11月1日付けのダイヤ改正の時刻表があるが、秒数が四捨五入されているためか詳しくは分からないが平日の昼間の時間帯の電車の運行は7分間隔の時間設定となっている。しかし広島電鉄のホームページに掲載されている平成15年4月20日改正の時刻表を見ると平日の昼間の時間帯の運行は7分〜8分間隔へと広がっていることが見て取れる。(参考資料参照のこと)
この運転間隔の変更については広電ホームページのダイヤ改正の案内の中には一切触れられていない事項である。この運行間隔が広がったことは何を意味するかは当然減便を意味するもので、利用者の立場から見れば不便になる印象を受けるものである。そのために広電のホームページをはじめ各電停乗り場に張り出されているダイヤ改正のポスターにも掲載されなかったのであろう。
この0.5分ほど運転間隔が広がったことを利用者はどのように捉えるかは現時点では分からない。かつて6分〜7分間隔から7分間隔に広がった時には僅かに時間を待つ印象を受けたがすぐに慣れてしまった。今回の運転間隔の拡大もそれほど悪い印象で受け止められるものではないのかもしれない。ただ心配なのはこのような運転間隔を広げて行くことを繰り返しているとどこかの時点で「待ってもやってこない広電電車」の印象を利用者が持ち始めることである。待ってもなかなか来ない電車に乗るよりは便利な他の交通手段を選択することを利用者が考えるようになれば、急速に利用者離れが進んでゆくことは容易に想像のつくことである。
広電電車はJRの列車などに比較して速度は遅いが、運転間隔の短さとこまめに停留所などが設置されており便利な乗り降りが出来ることで広島でも生き残ってきた公共交通機関だと私は考えている。現在の広電電車の特徴は次から次へと電車が途切れずにやってくるために電停乗り場で待つ印象がなく乗り込める点が利点であると私は思っている。
電停乗り場でも先を急ぐためか電車の到来方向を盛んに眺めて電車の接近を確認する利用者の姿は電停乗り場ではよく見られることである。このような先を急ぐ利用者の心を掴んでおくことが出来るのも電車の運行間隔が狭く頻繁にやってくることである。この反動が電車がたまたま生じた僅かな遅れがだんだんと積み重なり電車が連なって走る団子運転に対する批判であろう。たとえ団子運転だろうが所定の時間どおりに電車が運転されていれば誰も文句を言う利用者はないのだ。遅れてなかなか電車がやってこないことに利用者は苛立ちを覚えるのである。「待っても来ない」と。
私はTV番組で紹介された人気のラーメン屋さんがその後の繁栄するか没落するかの鍵を握っているのは待ち時間にあると解説してあったことを思い出す。店の外ではたとえ長蛇の列で30分待ち1時間待ちであろうともお客は文句もなくひたすら待ち続けてくれるのだそうである。しかし、一歩店内に入り着席すると5分以内にラーメンが出てこないと評判を落とすのだそうである。確かに私も行列を作って食べに行ったラーメン屋さんでも外で行列に並ぶのは苦痛ではなかった。逆に期待感があり楽しみでさえあった。しかしラーメンを注文してなかなか出てこないものは腹立たしいものである。それも順番を差し替えられて後から着席した客のラーメンが先に出てきたときには不快感100パーセントになってしまうものである。こんな精神状況では美味しいラーメンでも不味く感じてしまうのは当然のことであろう。待ち時間も味の一部なのだ。
電停の乗り場に立つと電車がやってくるまでの時間がとても気になるのはラーメンでも路面電車でも同じことではないかと私は仮定している。ラーメンでは5分という時間が出ているが路面電車の場合には何分までが利用客に不快感を与えないで済むものかは不明である。今回のダイヤ改正がラーメンのリミットタイムを越えるような利用者の印象をもたれないことを願うばかりである。一度「電車はなかなか来なくて時間が掛かる」などといった印象が定着させてしまうとなかなか元に戻すことが難しいと想像されるからだ。
路面電車はJRなどの一般鉄道ともバスなどとも違った隙間産業ではないかと思っている。隙間産業の特徴は利用者のニーズを上手く掴むことが大切であることは言うまでのないことである。他の多くの都市では路面電車はなくなってしまった。広島はこうして残り続けているのも利用者の心を掴んでいるからに違いないのだ。利用者の心を遠ざけることをして、そっぽを向かれることだけは避けて欲しいと強く願っている。
【参考資料】 平日12時から14時までの2時間の広島駅 発 広電宮島口 行きの電車の運転間隔比較
| 旧ダイヤ | 運転間隔 | 新ダイヤ | 運転間隔 |
| 1205 | 1207 | ||
| 1212 | 7 | 1214 | 7 |
| 1219 | 7 | 1222 | 8 |
| 1226 | 7 | 1229 | 7 |
| 1233 | 7 | 1237 | 8 |
| 1240 | 7 | 1244 | 7 |
| 1247 | 7 | 1252 | 8 |
| 1254 | 7 | 1259 | 7 |
| 1301 | 7 | 1307 | 8 |
| 1308 | 7 | 1314 | 7 |
| 1315 | 7 | 1322 | 8 |
| 1322 | 7 | 1329 | 7 |
| 1329 | 7 | 1337 | 8 |
| 1336 | 7 | 1344 | 7 |
| 1343 | 7 | 1352 | 8 |
| 1350 | 7 | 1359 | 7 |
| 1357 | 7 |
旧ダイヤ:2001年11月1日改正 新ダイヤ:2003年4月20日改正
【参考】1997年3月24日改正、1998年9月1日改正のそれぞれの時刻表を見ると「6〜7分」となっている。
著作:石崎達也 制作:有限会社タツヤ模型