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2003-05-17 新型肺炎SARSへの危機管理を求める |
新型肺炎のSARSが中国や台湾で猛威を振るっていることは連日のマスコミ報道で読者さんもご存知のはずである。しかし不思議なことにまだ日本での患者が発生していないことは本当のことなのか?それともどこかで隠されているのか不安な部分があるが、まだ中国や台湾のような悲惨な状況になっていないことは幸いなことである。
しかしこのまま何も感染患者のないまま推移すればよいことであるが、万が一のことを考えてわれわれ市民も感染予防について考えておく必要があると思われる。すでに横浜市で予定されていたサッカーの東アジア選手権が延期されることが決まったことが報道されていたが、これもSARSの感染拡大を恐れての予防処置であり必要なものであったと判断している。各地の行政レベルでもこうしてSARSに対する対応を開始していることがよく分かるものである。
観光地としても世界にPRしている広島にも連日多くの外国人観光客が訪れていることは事実である。先日も大阪に観光で来ていた台湾人がSARSに感染しているのではと言う疑いが掛かっている。このようなことからも日本にもSARSが上陸する危険性は皆無ではないことを認識しておくべきであろう。
そして今、公共交通機関もSARSへの危機管理を行う必要が迫っていると私は感じている。SARSが広まってから緊急に対策を行うのでは後手に回ってしまうことは明らかなことであるからだ。路面電車やバスなどの閉ざされた狭い空間に数多くの利用客を乗せて走る乗り物ではSARSの感染の危険性が高いことを知っておかなければならない。事実台湾では地下鉄などに乗り込むには利用客にもマスク着用が義務付けられている。地域の交通を預かる公共交通事業者もこうした感染が広まる前に何らかの対策を考えて準備をしておくべきであると私は考えている。
自覚症状のないSARS感染者が電車やバスに乗り込むことは当然にありうることであるし、この自覚症状のない感染者を責めることは出来ないと考えている。そこで現在まだSARSの感染患者が報告されていない段階からSARSの危機管理として公共交通機関の乗務員にSARSへの感染被害を食い止める処置が必要ではないかと考えている。
SARSに感染した利用客から乗務員へSARSが感染した場合、常に電車の中でSARSのウィルスを撒き続ける乗務員がいることはSARSの感染拡大に繋がることは一目瞭然であるからだ。またSARSに感染する乗務員が職場内で急激に増加すれば当然に電車やバスの運行にも支障が出てくることは予想可能な範疇だと考えている。利用客の健康被害だけではなく電車やバスの運行確保の観点からも乗務員の健康を守る必要があるはずである。このような感染性のある病気への対応を感染が広まる前に検討しておくことは公共交通の事業者として最低限の責務ではないかとも考えている。現在ではテロによる破壊活動よりもSARS感染の方が目前に迫った脅威のはずであるからだ。
私は電車やバスの乗務員は勤務中のマスク着用などを行ってSARS感染への予防対策をしておくべきだと考えている。マスクの着用がSARSにどれほどの効果があるか不明であるが、何もしないよりはマシであることが明らかであろう。このようなマスク着用が不発のままSARSの流行が沈静化すればそのままマスク着用を解除すればよいことである。感染拡大が電車やバスによって引き起こされたとすれば、取り返しの付かない事態となることは明らかであり市民の信用を裏切ることは必至であろう。
利用客の生命や健康を守る観点から乗務員のSARS感染を防ぐ目的がはっきりすれば、このマスク着用などを不自然なものと思う市民はいないはずである。また企業経営者が陥りやすいこととして、危険な乗り物として噂が広まることが心配するあまり、平常を装う行為として何ら防護処置を行わないことは逆に反社会的な行為であることを知るべきであろう。私はマスコミなどを通じてはっきり目的を知らせることにより、SARS対策をしていることを市民に知らせ安心して電車やバスを利用してもらうことが今一番求められていることであると考えている。
最後に一言。
以前にも広電電車の乗務員によるサングラスの着用問題などがあったが、利用客の生命や運行の安全と引き換えに「乗務員の外観の見栄え」を優先することは許されないことだと考えている。乗務員は安全に利用客を運ぶことが最重要課題であるために、太陽が眩しければサングラスを着用すると同じように、現在のようにSARSによる健康被害が心配される状況において乗務員が自主的にマスクを着用することを禁止すべきではないと考えている。マスクの着用は今回のSARSだけではく、もちろんインフルエンザの流行時にもいえることである。
著作:石崎達也 制作:有限会社タツヤ模型