|
2003-05-19 5月20日のダイヤ改正への期待と利用客向け案内への苦言 |
4月20日から運用開始となった7号線の利用状況はまだまだ広島市民や利用者に浸透していないようで利用客が少ない現状となっている。しかし私が取材している範疇ではこの1ヶ月の間にも随分と7号線の利用客は増加したものと考えている。
しかし朝の通勤通学の時間帯に運転されている大型連接電車には空席が目立つ状況となっていることは否めない。しかし今後7号線が広島市民に浸透してくるにつれて利用客が増加してくるものと私は想像している。
5月20日から再度の7号線にからむダイヤ改正を行うことを広島電鉄は発表している。このダイヤ改正は従来過剰気味であった7号線の大型連接電車を大幅削減するとともに電車の運行間隔を僅かに広げることを中心とした内容となっている。
このダイヤ改正により7号線の大型連接電車の運行がワンマン電車に置き換えられることとなるが、現状のように利用客がまだまだ少ない状況においてはこのワンマン電車で十分に旅客輸送が果たせることは間違いのないことであろう。この電車の小型化によって利用客からも苦情が出てくるとは思われない。また広島電鉄にとっても運行経費のかかる電車を無駄に走らせていたことを考えるととても合理的なものだと考えている。
次に電車の運行間隔を僅かに広げる内容についても社説「横川駅電停の電車発着の改善案」(2003-04-29)で提案しているように、現状の横川駅電停に出入りが難しい状況で電車の運行間隔が狭いために発生する横川駅前の電車の渋滞状況を改善するためには已むを得ないものがあると考えている。せっかく順調に走っている電車も終点の横川駅電停に入る直前で渋滞したのでは結局トータルで考えた乗車時間などは、電車の運行間隔を広げた方が結果として電車の運行がスムーズとなり利用客の利便性が向上するものと考えているからである。
また5月20日からは横川駅前交差点の信号条件が広電電車の運行を優先?する形で設定されるようなので、4月20日以降に発生していた渋滞現象も上記の運行間隔を広げる処置とともに効果を現すものと期待している。
結果として、私はこの5月20日のダイヤ改正を多方面から見て評価できる内容だと判断している。5月20日以降実際に横川駅電停に出向き改善の状況を確認する予定である。

横川駅電停に張り出されていた5月17日付けの「お知らせ」
5月20日からのダイヤ改正の内容が記述されている。
| 利用客向け案内への苦言 |
次にこの5月20日のダイヤ改正を含め、4月20日以降の広島電鉄が利用客に対する案内などについて苦言を言っておきたい。
苦言とはマイナス要因となる部分の記述が極めて不適切であることを指摘しておきたい。たとえば上記の「お知らせ」の中のダイヤ改正内容中の2点である。
| 2項目:【7号線】広島港行き大型電車を1本運行します。(横川駅8:45発 平日のみ) この表現からすると従来の7号線広電本社前行きの大型連接電車の運行に変更がないように読み取れる。実際には7号線広電本社前行きの大型連接電車は全廃になり、7号線の大型連接電車の運行はこの広島港行きの1本になる。 |
| 4項目:【7・8号線】ベース時の運行間隔を見直します。 どのようにベース時の運行間隔が変更になるかの記述がなく不適切なものである。どうも現在ベース時の運行間隔が10分に設定されているものが12分へと拡大されるようである。 |
広島電鉄は営利企業のためマイナス要因となる面は余り表に出したくない心理を持っていることは当然に理解出来るものである。しかし広島電鉄は公共公益事業として路面電車による旅客運送業を営んでいるという責任を負っていることを再認識して欲しいと思っている。広島市民の足として利用してもらう路面電車のダイヤ改正についてプラス面ばかりを強調してマイナス面は伏せたままという姿勢は公共公益事業者としてあるまじき行為だと考えている。
今回の5月20日のダイヤ改正についてはしっかりとした理由に基づいて行う処置であるからその趣旨を説明し広く広島市民や利用者に理解してもらえる内容だと私は考えている。しかし現在のようにマイナス要因を隠すような記述をすれば、利用者としては都合の悪いことを隠す体質の企業であることを印象付けるだけのものとしか映らないことを知るべきであろう。今回のようにダイヤ改正という重要な内容についてマイナス要因を隠すようにして必要な情報を与えない姿勢は問題視すべきものであると私は考えている。
ついでにこれも記述しておきたい。現在広島電鉄が4月20日のダイヤ改正で公表した朝の横川駅発の7号線の大型連接電車の運行本数はなんと14本もあった。その後横川駅電停に設置してあったダイヤなどを記述したポスターや看板はどこかに隠されてしまった。そして朝の7号線の大型連接電車の運行は広島市民や利用者になんら知らされることのないままワンマン電車に置き換わっている。現在の具体的な大型連接電車の運行について広島電鉄はダイヤなどを公開していないために不明であるがおそらく5本か6本程度になっているはずである。これは私が朝の7号線電車の取材で見た範疇での調査結果である。

横川駅電停に7号線運行当初まで掲示されていたポスター(2003-04-09撮影)
7時台・8時台の殆どが赤文字で大型連接電車であることを示している。
私は広島電鉄が当初予定していた大型連接電車の運行が無駄になっているために小型のワンマン電車に切り替えるなどの処置は正当なものだと考えている。しかし一度公表した内容を隠すようにして変更する企業体質には大変重大な問題があるとの認識である。運行ダイヤなどの重要事項は変更したら変更したと堂々と発表すべきものであり、広島市民や利用者から問い合わせや苦情が来れば、変更に至った経緯を説明する姿勢こそいま一番求められているものだと考えている。
公益性の高い公共交通を担う事業者は一般の営利企業とは違った大きな社会的な責任があることを再認識していただきたいと強く願っている。
著作:石崎達也 制作:有限会社タツヤ模型