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[PR] 最新の話題はタツヤのファン倶楽部でどうそ! [社説に戻る] [Return HOME] 2003-08-05 広島電鉄650形電車(愛称:被爆電車)の廃車報道について |
シネマッド舎発行「シネマッド/旅マップ」2003年8月号の20ページに広島テレビ放送の原爆の日の特別番組『58年目の夏…ヒロシマから世界へ』の番組紹介記事の中に『来春の廃車が決まった被爆電車が置かれる広島電鉄千田車庫とを中継で結び』(原文のまま引用)との記述があり、路面電車愛好家の間では物議を醸し出していた。
この被爆電車として有名な650形電車が廃車されるという、にわかには信じられない情報に私自身も震撼してしまった。早速広島電鉄の企画グループの担当者へメールにて問い合わせをしたところ、「現時点では、650形の廃車予定はまったくございません。」とあっさりと否定されてしまった。
どうしてこのような内容の記事が掲載されたのか経緯は不明であるが、我々路面電車愛好家にとってはお騒がせな記事となったようである。ただ内容が広島テレビの放送内容の紹介ということもあって、650形電車の廃車の話にも真実味を帯びてくるところがある。とにかく8月6日の8:30からの広島テレビの放送を見て、その中で650形電車の廃車の話が出るかどうかが注目点となるようである。
今回のように何の前提もなしに広島市民の注目の的となっていて、原爆の悲惨さを伝える生き証人の650形電車が廃車になることは、路面電車愛好家に限らず広島市民の多くから反発が避けられないことは必死なことである。
ただこの世の中には「永遠」とか「無限」というものは存在していないものである。人間の命にしろ、路面電車の耐用年数にしろいずれは寿命を向かえるものである。この根本的な考えに立ち返れば、いずれ650形電車の引退は訪れることに間違いはない事実であることも知っておかなければならないことである。
我々路面電車愛好家としては、何が何でも現役で走りつづけさせなければならないものだとは、だれも思っていないことであろう。今後広島電鉄は高齢化社会を迎える上で超低床電車の導入など課題があり、650形電車の寿命の前に利用客への対応問題で650形電車が現役を去らなければならない可能性も存在していることを知っているはずである。
広島電鉄の路面電車は現在結果として「路面電車博物館」と呼ばれている状況になっているが、決して博物館として経営を行っているわけでない。旅客運送業として路面電車を運行しており、現在利用客離れの中で必死に経営努力をしている会社であるのだ。
こうした路面電車を取り巻く様々な中で、いずれ向かえる650形電車の引退についてはそろそろ考えておいた方がよい時期になっているとも思われてならない。ここで私自身は「廃車」と呼ばず「引退」の言葉を使用しているが、これはもちろん廃車といえば解体までをイメージさせるものであるからだ。引退の場合には何らかの保存を含めた第二の余生があるものと言葉に意味を持たせているからである。
JRの鉄道車両に比較すれば路面電車は小さな車両ではあるが、現実として自宅の庭先に置いておけるほどのものではなく、かなり巨大なものである。簡単に保管と言ってもなかなか保管する場所や保管設備が見つからないのが現実なのである。今年の3月に里帰りした神戸市電の1103号は数年前から持ち上がっていた話がやっと今年になって実現したものである。保管といえども話を進めるには数年の単位で時間が掛かることを知らなければならないものである。ましてや現在の広島市は財政難で広島市民球場の移転先となっている東ヤード跡地でさえ購入できないほど財政は逼迫している状況になっていることは広島市民であればご存知のはずである。
こうしたことを考えると、650形の引退後の処遇について考えることも決して早い話ではないと考えている。
著作:石崎達也 制作:有限会社タツヤ模型