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4.2004年夏 ぜひ乗っておきたい650形電車

 2004年の秋に広島電鉄は新しい国産の超低床電車を導入することを発表しています。この超低床電車の導入に当たっては各種の補助金を広島電鉄は申請しているものと思われます。この補助金申請の中で鉄道軌道近代化補助金と呼ばれているものがあります。これは老朽化した施設で厳しい経営状況の中において自己資金での投資が困難なときに申請する補助金とされています。補助金の用件の一つとして更新された施設や車輌の代わりに老朽化した施設や車輌を廃棄するなどを求められることです。広島電鉄は3年連続の最高益を出していると2004年5月22日の中国新聞は報じていて、この補助金の申請対象に不適格のようにも感じますが、従来からの流れからみて新しい超低床電車にも鉄道軌道近代化補助金が支出されるものと思われます。

 ここで重要なことは鉄道軌道近代化補助金によって廃棄される電車のことです。大型連接電車1編成の場合、老朽化した大型連接電車を1編成またはワンマン電車2輌のいずれかの廃棄が求められるものと思われます。近年の広島電鉄は市内線にも次々と大型連接電車を投入していて、まだまだ大型連接電車の需要があり、大型連接電車が老朽化をしていたとしても使用が可能な限り使用しつづけてゆくものと思われます。この動きに連動して収容力の小さいワンマン電車が廃棄対象に選ばれることは確実です。そこで最も有力なのが650形電車なのです。もちろん廃棄と記述しましたが、旅客運送に使用しない形で引退・保存することは許されることと思われます。

 650形電車は被爆電車として市民に親しまれてきたり、平和教育の教材として使用されてきました。しかし2003年8月に650形電車の廃車問題が急浮上してからこのページを開いた経緯があるほど、広島市民にとっては650形電車の処遇は関心事の一つです。すでに広島電鉄は広島テレビなどの取材に対して2輌の650形電車をいわゆる廃車・解体するのではなく、引退させて保存する方針を公表しています。まだ4輌ある650形電車のうちどの電車を引退させて、いつどこに保存するのかは決まっていないようです。

 しかし2004年秋に導入される新型超低床電車によって2輌の650形電車が引退することは確実のようです。そこで、まだまだ4輌そろって運行されているこの夏の間に650形電車に乗ってみることをお薦めします。新型超低床電車の運行が始まれば、650形電車などの老朽化した電車が運行される機会はどんどん減少して行きます。単純に4輌が2輌の半分に減ったと言うわけではなく、殆ど姿を見せなくなる可能性もあるのです。まだ十分にその姿を見たり、乗車することの出来る期間に、被爆体験をした650形電車に一度乗車することを勧めている理由です。まだどこのマスコミも取り上げていませんがひそやかにそして確実にカウントダウンは始まっているのです。

 なお8月6日の原爆の日を前にして、この650形電車は貸切運転される機会が多くなっています。運行の都合もあり一般営業に使われることが控えられることもあって、7月末ごろから8月5日までは意外と650形電車の姿を市内で見かけなくなってしまうものです。この期間に650形電車に乗車してみたいと思っている読者さんは注意してください。

【写真】
 原爆の投下目標とされた相生橋を通過する650形電車です。背景に原爆ドームの姿も一緒にいれて撮影したものです。

撮影:2001年3月22日

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公開:2004-06-29 著作:石崎達也 制作:有限会社タツヤ模型