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路面電車と生活する 車いす編

 ベビーカー編でも書いたことですが、路面電車のレールの隙間というバリアが車いすを利用する人たちの行動も制約しています。ベビーカーと同様にレールの隙間に車いすの前輪が挟まってしまうことがあります。ベビーカーと大きく違っている点は、体重の軽い赤ちゃんではなく、体重がある成人が利用していることが多く、安易に持ち上げてレールの隙間を横断することができないことです。

 介助をしてくれる人が付き添っている場合には、レールの隙間に車輪が挟まっても脱出が可能なものです。しかし単独で行動される人も多いため、このような状況で困っている人を見かけたら周囲の人が手助けをしてあげることが大切なことです。

 レールの隙間を無理なく横断する方法で好ましいと考えられる方法は、車いすを押すのではなく、引っ張る方法です。テコの原理で車いすを押しているときには小さな前輪に力が加わってしまいます。これが安定して車いすを好きな方向に押して進める効果になっていますが、レールの隙間に前輪が落ちてしまうと逆効果となってしまいます。車いすを引っ張った場合には前輪に掛かる力が少なくなるために、レールの隙間を横断しやすくなります。そこでレールの直前で方向転換をして後ろ向きに車いすを引っ張って移動した後、再度方向転換をして向きを直す方法なのです。
 この方法の問題点は後ろ向きに車いすを引っ張るために、進行方向の様子が見えないことです。周囲の状況をよく確認して最小限度の距離を後ろ向きで横断するようにしましょう。

 

 もう一つ大切なことは、体を背もたれにしっかりと当てておくことが大切なことです。前輪がレールの隙間に落ち込んで急停車したときなどは、自然と体が前かがみになるものです。更にはレールの隙間に填まり込んだ前輪が気に掛かり覗きこんだりするものです。しかし、この体を前かがみにすることは前輪に加重を掛けてしまうことになるため、レールの隙間からの脱出を困難にしてしまいます。高齢者や体の弱い人に対しては介助者が肩を引き寄せて背もたれにしっかり体が当たるようにすると、体の重心が大きな車輪の中心に近づくために、前輪への加重が少なくなりレールの隙間から脱出しやすくなります。

 この写真はレールの隙間に車いすの前輪が落ち込んでしまった拍子に体が前かがみになったものです。

 このように車いすの前方に体重が掛かった状態では、大人の力でもなかなか前輪を持ち上げることは困難なことです。

 

 すでに高齢者社会に突入している日本では、どんどん高齢者が増加しています。障害者ではなくとも足腰が弱ってくると車いすを利用して外出する高齢者が増えてくるものと予想されます。バリアとなっているレールの隙間の問題を解消することが大切なことですが、期待することが出来る状況ではありません。少しでも安全に横断出来る知識を身に付けるように心がけてください。また困っている状況を発見したら手助けをするようにしましょう。

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 ご意見ご要望がある場合には石崎達也 tatsuya_model@mbb.nifty.com にメールで連絡をお願いいたします。

このページは2004年(平成16年)6月18日に掲載しました。

著作:石崎達也 制作:有限会社タツヤ模型